Coffee Journal
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全品種の系統図

品種ノードにカーソルを合わせると産地・風味・特徴が表示されます ✦ = スペシャルティ市場で特に注目の品種

🌿 アラビカ種 Coffea arabica
全生産量の約60〜65%を占める高品質種。エチオピア高地が原産。標高1,000m以上を好む繊細な品種。カフェイン含有量はロブスタの約半分(約1.2%)。複雑なフレーバーを持ちスペシャルティコーヒーの大半はアラビカ種。
Typica系(ティピカ系)
最古のアラビカ系統。エチオピア→イエメン→インド経由で世界へ。繊細で上品な風味。現代品種の多くの祖先。
Typica
Blue Mountain
Maragogipe
Kona
Sumatra系
Bourbon系(ブルボン系)
ティピカがブルボン島(現レユニオン島)で突然変異。甘みが強くフルーティー。ティピカより収量が多く現代品種の多くの交配親。
Bourbon
SL28 / SL34 ✦
Caturra
Catuai
Mundo Novo
Villa Sarchi
Pink Bourbon
ゲイシャ系
エチオピア西部ゲシャ地方原産(1931年採取)。2004年パナマのエスメラルダ農園で世界的注目を浴びスペシャルティ最高峰品種のひとつに。
Geisha / Gesha ✦
エチオピア在来種(Heirloom)
800種以上の野生在来種が自生するコーヒーの遺伝的多様性の宝庫。多くの現代品種の祖先がここに存在する。
Heirloom
Kurume / Wolisho
ハイブリッド・交配種
ロブスタとの交配などで生まれた耐病性の高い品種群。1970〜80年代のさび病パンデミックへの対策として多くが開発された。
Hybrid de Timor
Catimor
Ruiru 11
Castillo
その他の注目品種
Typica・Bourbon系に起源を持つが独自の個性で注目を集める品種群。スペシャルティ市場で高い評価を受ける。
Pacamara
Laurina(低カフェイン)
Batian ✦
⚡ ロブスタ種 Coffea canephora
全生産量の約35〜40%を占める。原産はコンゴ盆地。低地・高温多湿・病害に強い。カフェイン含有量はアラビカの約2倍(約2.7%)。強い苦味とコクが特徴でエスプレッソブレンドやインスタントコーヒーに多用される。
主要品種・系統
低標高でも育ち、さび病などの病害に強い。収量が多く生産コストが低い。
Robusta
Uganda / Congensis系
Quillon
ロブスタ種の特性
カフェイン: 約2.7%(アラビカの約2倍)
栽培高度: 0〜800m(低地OK)
さび病耐性: 強い
収量: アラビカの約2〜3倍
クレマ: エスプレッソで豊かなクレマ
主な用途: インスタント・エスプレッソブレンド
🌺 リベリカ種 Coffea liberica
全生産量の1%未満の超希少種。西アフリカ・リベリア原産。大型の葉・果実・豆が特徴。独特のウッディ・フローラルな風味。19世紀のさび病でアラビカが壊滅した後に代替として普及したが現在は激減。フィリピン・マレーシアで珍重される。
主要品種・亜種
フィリピン・マレーシアを中心に細々と栽培が続く希少品種群。
Liberica / Barako
Excelsa(亜種)
リベリカ種の特性
生産量: 世界の1%未満(超希少)
豆サイズ: アラビカの約2倍の大型豆
木の高さ: 最大20mに達する高木
耐熱性: 高温多湿に強い
風味: 独特のウッディ・スモーキー
主産地: フィリピン・マレーシア・西アフリカ

精製方法一覧

収穫後のコーヒーチェリーからどのように生豆を取り出すか——その精製方法が風味に決定的な影響を与えます。同じ産地・品種でも精製方法が異なれば全く別の味わいになります。

ウォッシュド(水洗式)
Washed / Wet Process
🍒 チェリー果肉除去発酵槽水洗い天日乾燥
主産地:エチオピア・ケニア・コロンビア・グアテマラ・コスタリカ・中南米大半
✨ クリーンでフルーティー。産地の個性が素直に出る。明るい酸味が特徴的。
ナチュラル(乾燥式)
Natural / Dry Process
🍒 チェリーそのまま天日乾燥脱穀・精製
主産地:エチオピア・ブラジル・イエメン・エリトリア
🍓 強烈な果実感・ベリー系の甘み・発酵フレーバー。水が少ない地域に適する。
ハニー(ハニープロセス)
Honey Process
🍒 チェリー果肉除去粘液質を残して乾燥脱穀
主産地:コスタリカ・エルサルバドル・ホンジュラス・グアテマラ
🍯 甘みとクリーン感のバランス。残す粘液質の量でYellow / Red / Black Honeyに分類。
スマトラ式(ギリン・バサ)
Wet Hulled / Giling Basah
🍒 チェリー果肉除去短時間発酵生乾きで脱穀再乾燥
主産地:インドネシア(スマトラ・スラウェシ・フローレス)
🌿 アーシー・ハーブ・重厚ボディ・低酸。生乾き段階で脱穀するインドネシア独自手法。
アナエロビック発酵
Anaerobic Fermentation
🍒 チェリー密閉タンクで嫌気発酵果肉除去乾燥
主産地:コロンビア・コスタリカ・エチオピア・中南米各地
🧪 強烈な発酵感・ワイン・トロピカルフルーツ。酸素を遮断し発酵を制御して複雑なフレーバーを生む。
カーボニックマセレーション
Carbonic Maceration (CM)
🍒 チェリーCO₂充填タンク細胞内発酵果肉除去→乾燥
主産地:コロンビア・コスタリカ・エチオピア
🍷 ワイン醸造技術を転用。ジューシーな果実感と鮮やかなフルーティーさが特徴。
マンスーンド(モンスーン)
Monsooned Malabar
☀️ 生豆モンスーン季節風に曝す吸湿・膨張・熟成(約3ヶ月)
主産地:インド(ケーララ州・カルナータカ州マラバール海岸)
🌊 帆船時代の長旅で変質した豆を再現。低酸・アーシー・スパイシー・重厚なボディ。
実験的・特殊プロセス
Experimental Processes
Lactic酸発酵ワイン樽熟成酵母添加発酵
主産地:コロンビア・コスタリカ・台湾・日本など
🔬 特定の酵母・果汁・酵素を添加して発酵を制御。コーヒーの新しい可能性を追求する最先端手法。

ドリップメソッド一覧

ドリップ式の各メソッド。レシオ・湯温・時間・挽き目の目安です。豆の鮮度・焙煎度・好みに合わせて調整してください。

ハンドドリップ
Pour Over
レシオ
1 : 15
湯温
90〜93℃
時間
3〜4分
挽き目
中〜中細挽き
テクニック: 蒸らし30秒→3〜4回に分けて注湯。細く円を描くように注ぐ。
特徴: 産地の個性が最も素直に出やすい抽出法。フィルターの種類(ペーパー・金属・布)で風味が変わる。
難易度: ⭐⭐⭐(湯温・注ぎ加減の調整が重要)
🧵
ネルドリップ
Nel Drip / Flannel
レシオ
1 : 10〜13
湯温
88〜92℃
時間
3〜5分
挽き目
中〜中粗挽き
テクニック: 布フィルターは毎回水で湿らせてから使用。使用後は冷蔵保管(カビ防止)。
特徴: 布フィルターがオイルを透過するため、まろやかでトロリとした質感。日本の喫茶店文化の象徴。
難易度: ⭐⭐⭐⭐(フィルター管理が必須)
🔺
ケメックス
Chemex
レシオ
1 : 15〜17
湯温
90〜93℃
時間
4〜5分
挽き目
中粗挽き
テクニック: 専用の分厚いフィルターを二重に折ったものを使用。注ぐスピードはゆっくり(4〜5分)。
特徴: 厚手フィルターでクリーンに抽出。デザインはMoMAコレクション入り。透明感と上質感が出る。
難易度: ⭐⭐(シンプルで安定)
🔵
クレバードリッパー
Clever Dripper
レシオ
1 : 15
湯温
90〜93℃
時間
4分(浸漬)
挽き目
中挽き
テクニック: 浸漬式なので、全量注いでそのまま4分待つ。サーバーに乗せたら自動で抽出開始。
特徴: 弁が開き抽出。シンプルで再現性が高く、安定した味が出せる。初心者向け。
難易度: ⭐(最も簡単)
🧊
アイスドリップ
Slow Drip / Japanese Ice Drip
レシオ
1 : 15(氷約40~50%)
湯温
90〜93℃(初期)
時間
3〜4分
挽き目
中細〜中挽き
テクニック: 金属製のドリップタワーを使用。上部のタンクに氷と水を1:1の比率で入れ、バルブで速度調整。1~2秒に1滴の速度が目安。
レシピ例(コップ1杯130ml): 豆9g、氷60ml、水60ml混合。氷50%、水50%。中細挽きで3~4分で完成。
特徴: 低温抽出により苦味が出ず、甘みと透明感が極大化。夏の最高峰。待つ時間も風情。時間はかかるが味は他に類なし。
難易度: ⭐⭐(バルブ調整は慣れが必要)

コーヒー豆知識

コーヒーチェリーの構造と、各精製方法との関係を理解することで、風味の違いがなぜ生まれるのかが分かります。

コーヒーチェリー 断面図 ① 果皮(外皮) ② 果肉・ムシラージ ③ パーチメント ④ シルバースキン ⑤ 生豆(×2粒) 果皮 果肉 パーチメント シルバースキン 生豆
🍒 コーヒーチェリーの構造
コーヒーの種子はチェリー(さくらんぼ)のような果実の中に隠れています。この果実の各層を取り除く工程が「精製」です。
▪ 果皮(外皮)
最も外側の硬い皮。赤〜紫色。
▪ 果肉(ムシラージ)
甘い粘液質。アミノ酸と糖分が豊富。精製方法によってここをどれだけ残すかが風味を大きく左右します。
▪ パーチメント
生豆を包む薄い膜。水分を保ち、熟成を促進。保管中の防湿効果も。
▪ シルバースキン
生豆表面の薄皮。焙煎中に剥がれ落ちます。コーヒー豆をかじると歯に挟まるあの層です。
▪ 生豆(グリーンビーン)
焙煎前の豆。この状態では青臭く飲めない味です。焙煎により複雑な風味が生まれます。

精製方法による層の除去プロセス

ウォッシュド 除去: 果皮→果肉→パーチメント(機械で)→シルバースキン(焙煎時)
特徴: 層をしっかり除去するため、クリーンでフルーティー。産地の酸味が素直に出ます。
ナチュラル 除去: 果皮は残す→果肉も残す→丸ごと乾燥→脱穀でベリーとともに除去
特徴: 果肉の糖分が豆に浸透。強烈なベリー感・甘み・発酵フレーバーが生まれます。
ハニー 除去: 果皮を除去→果肉の粘液質を40~90%残す→乾燥(粘液質がカラメル化)
特徴: 残した粘液質量で Yellow / Red / Black に分類。甘みとクリーン感のバランスが秀逸。
スマトラ式 除去: 果皮→部分的に果肉除去→生乾きで脱穀→再乾燥
特徴: 生乾きで脱穀するため、水分が逃げきらず独特のアーシー・ハーバルな風味。低酸・重厚。

焙煎による変化

生豆(青緑色)から焙煎を始めると、まずシルバースキンが剥がれ落ちます。
焙煎が進むにつれて豆は膨張し、豆内部の化学変化により数百種類の香気成分が生成されます。
浅煎り: 産地の特性・酸味が強調される
中煎り: バランスの取れた酸味と甘み・コク
深煎り: 苦味・チョコ・スモーク感が強調。精製方法の個性は薄れ、焙煎の個性が支配的になります。

世界地図で見るコーヒー産地

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アフリカ アジア・太平洋 南米 中米・カリブ 大ドット=選択地域 / カーソルで国名表示 / クリックで詳細
世界地図
🇪🇹 エチオピアブルーベリー・フローラル・シトラス
🇰🇪 ケニアブラックカラント・ワイン・グレープフルーツ
🇹🇿 タンザニアプラム・チョコ・ワイン
🇷🇼 ルワンダフルーティー・フローラル・ジューシー
🇺🇬 ウガンダアーシー・チョコ・フルーティー
🇧🇮 ブルンジピーチ・フローラル・甘み
🇨🇩 コンゴ民主共和国フルーティー・ハーブ・チョコ
🇨🇲 カメルーンナッツ・チョコ・マイルド
🇳🇬 ナイジェリアアーシー・ロブスタ系・ウッディ
🇨🇮 コートジボワールロブスタ・チョコ・苦み
🇦🇴 アンゴラロブスタ系・苦み・スモーク
🇿🇲 ザンビアシトラス・チョコ・マイルド
🇲🇼 マラウイマイルド・ナッツ・クリーン
🇿🇼 ジンバブエアーシー・チョコ・マイルド
🇲🇿 モザンビークフルーティー・クリーン・甘み
🇲🇬 マダガスカルフルーティー・スパイシー・ユニーク

コーヒー発祥の地。エチオピアは800種以上の在来種が自生し、精製方法により全く異なる表情を見せる。ケニア・ルワンダはスペシャルティの最高峰。高標高栽培による明るい酸味と複雑な風味が特徴。